株式会社 キョウエイファイン 代表取締役 坂元 貞仁 氏

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株式会社 キョウエイファイン
代表取締役


Sadahito Sakamoto

問題と向き合うことは
人と向き合うこと
大切なのは
奉仕と感謝の心

社員さんの安心、幸せを
第一に考えることで
お客様とこの地域にも貢献していく

株式会社キョウエイファインは、2005年1月に現会長の坂元正弘氏が人材派遣業として豊田市で創業した。現社長の坂元貞仁氏は、元々佐川急便で縞シャツを着て勤めていたが2007年にキョウエイファインに入社。「これからは人材派遣業より、トラックや物流の方がおもしろい」と感じ、物流・倉庫の事業に注力をしていった。しかし、ただの物流・倉庫業社ではなく、働くスタッフ一人ひとりを大切にし、地元豊田に密着して事業を営む。その想いやこだわりをお聞きした。


社員さんの安心を
第一に考える

働き方改革関連法によって施行される
『24年問題』については、
会社としてどのようにお考えですか。

今、物流業界は転換期と呼ばれています。働き方改革関連法によって物流業界の中にあった『長く働くこと』が禁止され、安全第一に特化される。そんな中、今2024年問題に関して私は、人材の確保が一番大事であると考えます。『トラックドライバーの収入減少』が懸念されているため、社員さんの給料の確保を優先的に行っています。昨年3月末決算では燃料サーチャージ制をすべてのお客様にご理解いただき、2.2%の値上げをさせていただきました。今年は、倉庫の坪単価一律値上げも行っていきます。そして来年度を見越し2023年7月1日から社員さんの昇給をします。残業は減るけど給料は変わらない、という給料の体制を整え、社員さんには安心して働いてほしいです。2024年問題の中にもさまざまな問題が生じると思いますが、一つひとつの問題に向き合い、勉強し、フレキシブルに対応していきたいです。

社員さん、お客様、そして
この地域を幸せにする信念

『売上=信頼 利益=満足』
坂元社長の想いを社内に展開する中で
何を大事にされていますか。

物流業界は、『当たり前の時間に・場所へ・製品を納める』ことが仕事です。これを1年間続けてもお客様から「ありがとう」をいただけない。では、どのようにしたらお客様から「ありがとう」をいただけるかというと『+α』なんですよね。お客様拠点でドライバーの手が少し空いたら空箱を整理する、フォークリフトの汚れを掃除する、頼まれたわけではないが製品を運んだ際に伝票のチェックをし、製品の出し忘れがないか確認する。この気遣い『+α』の積み重ねがお客様から大きな信頼と満足を生む。信頼が生まれると売上にもつながると社内では共通認識を持っています。物流業界の利益率は2.1%。当社では、利益率を0.1%でも上げることにこだわり、「日々お客様から信頼を掴もうね!」と私から発信しています。

『仲間を認めて 自分を信じる』
社員さんとのつながりで
大切にしていることはなんですか。

当社では、社員さん一人ひとりと関係性を構築し幸せな社員さんを増やすことを大切にしています。現代は『LINE』を主要連絡ツールとして皆さん利用しています。当社では、この『LINE』を使い情報収集や社員さんとコミュニケーションを図り関係性の構築をしていきたいと考えました。『LINE』の仕組みを勉強する中で他媒体にはない特定の人とクローズドな環境で直接連絡がとれるなど、より便利な運用ができる『Lステップ』という機能を知りました。この『Lステップ』を駆使し、社員さんに寄り添った定期的なメール配信や会社からの情報発信、お困りごとの吸い上げ、社員さんとのコミュニケーションをとっています。『社員さん』は、正社員の方だけではなくパートさんのご意見やお困りごとも全て同じようにご対応します。社内にはいたるところに私のQRコードを掲示しているので何かあった時には、私にダイレクトに連絡することが出来るような仕組みを構築しています。いただいたメッセージをもとにすぐに対応することで社員さんには「自分の意見が会社に落とし込まれた」と思ってもらえる。そんな環境づくりを私自身が楽しんでやっています。社員さんのお困りごとをすぐに解決することが関係性構築には一番効果的だと思います。

そして、社長と社員さんの距離が近い所も大きなポイントかなと思います。私だけではなく、部課長と社員さんの社内面談も実施しています。お困りごとの吸い上げ、夢や目標も聞き、会社として出来ることは何かを考えます。直近では、「将来キャンプ場を経営したい」という方がいました。では、必要なモノと情報とお金がどれだけ掛かるのか、ビジョンを一緒に考えます。そして、「会社の福利厚生の一環としてキャンプ場を持つことにしよう!」と本人へお伝えし、今いくつか検討している場所があります。大切な社員さんが夢を叶えるために会社を辞めなくてもいいように背中を後押しする役割も担っていきたいです。

また、私自身の家族も社員さんのご家族も大事にしていきたいと思っています。年間を通して家族参加できるイベントを開催し、家族間で交流を図っています。先月も『子ども参観日』というイベントを実施しました。社員さんのご家族に会社へ来ていただいて、子どもたちとトラックに乗ってみたり、リフトに乗ってみたり、みんなでゲームをしたり、アイスクリームを食べたり、ソーセージを食べたりして、家族連れで楽しんでもらっています。30名前後の子どもたちが来てくれますが、みんな本当にかわいいです(笑)

その他にも女子会なども開催されています。若手の女性社員さんが社員さんと仲良くしてくれているので、女性間の雰囲気がとてもいいです。男性陣では察することの出来ない女性ならではのお悩みや、女性同士だから出るご意見やお困りごともあり、女子会が行われることで改善点が見え、初めて改善ができる。その繰り返しで社風もよくなっていくなと感じています。

社会貢献活動や地域貢献活動については、
どのようにお考えですか。

当社には、毎月全体出勤日があります。その日は朝から地域のごみ拾いを実施し、町を綺麗にする活動をしています。物流会社は、大きなトラックで少しガチャガチャとした印象を与えてしまうこともあります。細かい活動にはなりますが、地域の皆様にもご理解をいただけるよう取り組んでいます。

私自身さまざまな活動を行う中で、「人たらしだね」や「優しすぎるね」と言われることもしばしば。「優しい社長は会社を潰す」という言葉もありますが、私は自分の信念を貫いて行ってきたことで社員さんと仲良くやれているので、これからも仲間を思いやり、幸せな社員さんを増やしていきたいですね。幸せな社員さんが増えることは最終的には社会貢献であり、地域貢献なのです。

今後の夢をお聞かせください。

夢は、キョウエイファインで自分も含め3世代一緒に働くこと。3世代で働くためには、50年は会社を継続させていかなければいけません。継続が難しいことも承知しています。なので、夢は大きく持ちつつ、直近の目標を立てています。売上(105%~107%の継続)・利益率(5%以上)とすべて数値化し、一つひとつの数字にこだわる中で目標を達成していき事業を継続させたいと思っています。また、私自身の行動指針でもあります『縁ある人に全て奉仕する』、『感謝』この言葉を念頭に置き、会社を継承していきたいです。

あと、創立30周年記念には、1泊2日の社員旅行もしたいです(笑)

みんなの場に期待することを
お聞かせください。

私は豊田市が大好きなので、企業様と繋がり、学ぶ仲間を増やしたいです。また、エリア内の企業様が困っていることを発信できる場となり、近隣の企業で助け合える仕組みが構築されるといいと思います。

会社名
株式会社キョウエイファイン
代表
代表取締役 坂元 貞仁
所在地
〒470-0834 愛知県豊田市寿町8-70-1
URL
https://www.kyoei-fine.co.jp

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